3年以上の就農者レポート

いちご農家:わなか農園/生越大地さん(大田市久手町)

【家族】

妻:洋子(ひろこ)さん、長女:晴香ちゃん
父:俊三さん、母:美津子さん

【前職】

平成6年~8年 島根県農業改良普及員
平成9年~11年 島根県立農業大学校技師
平成12年12月 青年海外協力隊員として中国・北京へ、リンゴ栽培を指導
平成15年5月 帰国
平成19年9月 就農

【就農までの流れ】

平成15年12月 結婚
平成16年 4月 就農
平成17年 1月 いちごハウスの建設を始めるとともに、父から農業経営を受け継ぐ
平成17年 8月 いちごハウスの建設が完了
平成17年 9月 いちごの定植を始める -高設土耕栽培-
平成19年 9月 就農

【経営面積】

水稲7.5ヘクタール、いちご20アール、メロン3アール、切花(小菊など)10アール、の複合経営

就農までの経緯

青年海外協力隊員として中国の北京郊外で2年半、リンゴ栽培を指導。
農業改良普及員として果樹を専門にしていたことから、帰国後は、新規就農者向けの研修等をせずに、そのまま就農。

農家の長男として生まれたこともあってか、両親の働く姿を見て、物作りの楽しさを実感していましたし、子どもの頃から将来は農業に就くことを感じていました。

これまでに苦労したこと

これまでで一番苦労したことは、経営(営農)計画を立てることでした。
父の経営面積を受け継ぐ方向で計画を立てなくてはいけなかったので、受け継いだものをそのままやるということではなく、自分なりにどのようにこれまでの経営に近づけることができるか、また、新たにハウスを建設してどれだけやっていけるか数字を出すのに時間が掛かりました。このことは資金計画にも影響し、自己資金と近代化資金等の借入のバランスを考え、平成17年9月のいちごの定植に間に合わせるためにとにかく動きました。

また、大変なのは、「農業は教科書どおりに行かない」ということです。
米もいちごも、できるだけ使用する農薬を減らそう、できれば無農薬でやりたい、とこだわりをもって栽培を始めました。特にいちごは、天敵栽培で捕虫し無農薬栽培ができる、と自分の頭の中では成功イメージがあったのですが、実際は、コナジラミによる被害が増えてしまい、結局農薬に頼らざるを得ませんでした。翌年は、このコナジラミを減らすために工夫をしたのですが、反対にダニによる被害が発生するなど、「一つ克服すると、一つ問題が発生する」といった連続でした。昨年は育苗の段階で問題があり、今年は苗の活着が悪いなど、なかなか成功したという感じを持つことができません。

「来年はうまくやりたい」と常に考え、おいしいいちごを安定的に出荷することが目標です。計画的に行かないということも苦労の一つです。

現在、気をつけていること

おいしいいちごを、安全に、かつ安定して栽培することです。
化学農薬の使用量を減らすことを目指し、工夫を重ねています。微生物を利用した土づくりや、ハウス内の衛生管理など、環境づくりにも気をつけています。手間も苦労も掛かりますが、栽培は楽しいですよ。

長女の晴香は、毎日いちごを食べているので、味の良し悪しも良く分かるようです。娘が味のバロメーターです。娘が「おいしい」といって食べてくれる安全ないちごを、自信を持って皆さんにお届けしたいです。

また、米づくりの取り組みとして、水田に地元の畜産農家から購入した牛糞を施肥し、刈り取り後の稲わらを畜産農家に買い取ってもらう「循環型農業」に転換していきます。

就農を目指す人へのアドバイス

漠然と農業について考えるのではなく、どうしたいのか、何を作りたいのか、どのようなこだわりを持つかなど、どこに重きを置くかを考え、しっかりとした計画を立てることだと思います。
儲けることを先に考えてしまうと“しんどい"ですね。

また、経営作目を決めた人も、そうでない人も、必ず該当する作目の農家を見学したり質問したり、そこで勉強させてもらうことが必要だと思います。その農家が、一番の先生です。最終的な判断はそこからだと思います。



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